日本とクウェート

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文化・教育・スポーツの交流

日本とクウェート両国は、経済分野においては緊密な協力関係を維持していますが、文化や教育、スポーツの分野における交流も近年拡大しつつあります。両国民の相互理解と友好親善には、これらの分野での交流が極めて重要であり、今後活発化が期待されています。


文化交流

クウェート国やイスラーム教、アラブ・イスラーム文化が日本で初めて本格的に紹介されたのは、1970年に大阪で開催された万国博覧会においてでした。クウェート政府の建設したパビリオンはモスクの建物と同じような金色のドームを有する2階建てで、中にはクウェートの民芸品などイスラーム色に溢れる品々が展示されました。万国博開催期間中、多くの日本人来場者で賑わい、アラブ・イスラーム世界をほとんど知らなかった当時の日本人にクウェートの存在を印象付けました。

1985年、東京で「GCC(湾岸協力会議)青年文化フェスティバル」が開催され、クウェートはじめGCC加盟6か国から約400名の青少年が来日し、民族舞踊の上演、絵画・民族衣装・工芸品・刀剣などの展示が行われました。

1998年、東京で、クウェートの歴史、文化、経済などクウェート国全般を紹介する「MEET KUWAIT 98-新しいクウェートとの出会い」が開催されました。主催は日本・クウェート民間合同委員会で関係省庁ならびに当協会などが協力団体として参画しました。クウェートからは、サバーハ第一副首相兼外相(現首長)がムーサ企画大臣他政府高官と経済界や各術関係者など約150名と共に来日しました。サバーハ第一副首相が高円宮殿下、武見外務政務次官と共にテープ・カットを行い、開会を宣言しました。

外交関係樹立50周年直後の2012年、「クウェートの暑い夏。東京に現る。」と題したクウェート文化イベントが、サバーハ首長が国賓として訪日されたことを記念すると共に、日本・クウェート国交樹立50周年を祝賀する行事の一つとして開催されました。高円宮妃殿下がテープ・カットを行い開会を宣言されました。会場では、クウェートの歴史や観光スポットが写真や映像で紹介されたほか、伝統織物展、ダウ船大工実演、伝統衣装の展示・試着、アラビア語書道やヘナアートの実演等が行われました。また、クウェート国立民族楽団の公演も行なわれ、遊牧民が砂漠で来客を歓待する時の伝統的な歌と踊りが披露されました。

一方、クウェートでは、在クウェート日本国大使館や国際交流基金の文化事業として、日本古来の歌謡音楽、茶道、生け花、浮世絵展、武道、ピアノ・コンサート、映画祭などの各種の日本文化紹介イベントがこれまでに開催されています。

2011年は日本とクウェート国交樹立50周年を記念し、クウェートで様々な文化交流行事が行われ、和太鼓、日本舞踊、日本アニメ映画祭、現代日本の陶磁器展などが数多く開催されました。また、クウェイト日本人会主催の「日本祭り」がクウェート市街にある野外ステージとその周辺ブースで開催され、日本の夏祭りが再現されました。大勢のクウェート人が縁日の夜店でたこ焼きや海苔巻に舌鼓を打ち、輪投げやヨーヨー釣りを楽しみ、舞台での合唱や和太鼓の演奏に拍手喝采し、一緒になって盆踊りを踊って交流を深めました。


教育交流

クウェートからは日本政府の中東青年招聘プログラムにより、クウェート大学の学生、省庁職員、クウェート科学研究所(KISR)職員、クウェート石油公社(KPC)職員などが、ほぼ毎年訪日しています。さらに文部科学省の国費留学生として、クウェート民間航空局職員やクウェート大学卒業生が東京大学や東京工業大学に留学しています。その他、国際交流基金や日本国際協力センターなどが中堅指導者、中学・高校教員、スポーツ指導者などの招聘プログラムによりクウェート人関係者が訪日しています。 

一方、日本からは、クウェート政府の奨学金制度により、毎年5名の日本人留学生がクウェート大学でアラビア語を学んでいます。外交関係50周年を迎えた2011年には、交流事業の一環として、「メディカル・カンファレンス」が開催され、日本の最新医療技術の紹介を行うとともに、日本の若手医師6人がクウェートに短期留学しました。
クウェート大学語学センターの日本語講座は、2000年の発足以降、受講者は年々増加しており、毎年100名を超す受講者が日本語学習に取り組んでいます。日本大使館主催の日本語スピーチコンテストも毎年開催されています。

2006年、子供向け環境教育プログラム(Kids’ ISO 14000)のクウェート導入について、クウェート教育省と日本のNPO(ArTech)との間で覚書が調印されました。これに基づき、クウェートの教員6名が日本にて同プログラムのトレーニングを受講し、クウェートの中学校の生徒を対象に授業が実施されました。2013年にはクウェートの大手自動車販売代理店グループがCSR活動の一環として、Kids’ ISOの導入の意向が示され、ArTechと覚書に調印しました。 


スポーツ交流

1974年、クウェートにクウェート柔道連盟が創設され、翌75年にはアジア柔道連盟と国際柔道連盟に加盟しました。1978年、日本で嘉納治五郎杯国際柔道大会が開催され、クウェートからは役員2名と選手7名が参加しました。1984年には、クウェートで第5回アジア柔道選手権が開催され、アジア14か国の158名の選手が8階級に分かれて競い合いました。クウェートからはナショナル・チームの選手8名が全階級にエントリーし、日本からは嘉納行光講道館館長が率いる選手団が参加しました。クウェートの選手は大健闘し、2階級で銅メダルを獲得、参加14か国中第6位となる好成績を収めました。このクウェート柔道界を導き、開花させたのは、クウェート柔道連盟創設半年後の1975年4月からクウェートに派遣された甲斐光5段です。同氏は足掛け9年間に亘り、クウェート・ナショナル・チームの選手を指導し、クウェートの柔道が広く普及する基礎を築きました。

1994年には、広島で開催されたアジア大会に、クウェートからは約140名の役員・選手団が参加し、空手やテコンドー、射撃、サッカーなどで好成績を収めました。広島市内の公民館が「1館1国・地域応援」活動を行い、クウェートを担当した安佐北区真亀公民館はクウェート選手が出場した試合に足を運び、クウェートの国旗を振って応援するとともに、選手団との交換の場を設けるなど市民レベルでの交流活動を展開し、友好を深めました。

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