日本とクウェート
クウェートによる東日本大震災への支援
2011年3月11日、日本は嘗てないほどの大地震に見舞われ、東日本の広域にわたって甚大な災害を被りました。この東日本大震災に際してのクウェートの対応は素早く、サバーハ首長から、復興援助として原油500万バレル(5億ドル相当)を日本に無償提供するよう指示が下されました。
2011年10月、震災復興支援原油を積んだタンカー第1船が横浜市のJX日鉱日石エネルギー㈱根岸製油所に到着しました。これを記念して、同製油所内にて贈呈式典が行われ、クウェート側からファルーク・アル・ザンキ・クウェート石油公社(KPC)会長(CEO)、アブドルラフマーン・アル・オタイビ駐日クウェート大使、日本側から枝野経済産業大臣、加藤敏幸外務大臣政務官、近衛忠輝日本赤十字社社長、奥田碩中東協力センター会長、木村康JX日鉱日石エネルギー社長、岩手、宮城、福島各県の代表の他、多くの関係者が参列しました。
原油は日本の石油元売り会社が受け入れ、その代金相当額(400億円)が日本赤十字社に送金され、クウェートからの復興支援金となりました。この支援金は被害が特に甚大であった岩手、宮城、福島の3県に分配され、岩手県三陸鉄道の運行再開、「いわてこどもケアセンター」の開設、被災地の小中学校に電子黒板配布、クウェート国友好医学生修学基金の創設などに活用されました。
支援の中で最も注目を集めたのは、NHKドラマ「あまちゃん」の舞台となった岩手県三陸鉄道の運行再開に支援金が活用されたことです。再開当日、各駅や沿線には、クウェートの国旗を振り運行再開を喜ぶ地域住民の皆さんであふれ、運行再開記念式典では、オタイビ大使が入場すると、自然と大きな拍手と「クウェート有り難う」の声が上がりました。
また、2012年3月、クウェート国元首のサバーハ首長が国賓として訪日された際には、追加支援として、福島県小名浜市にあるアクアマリンふくしまに300万ドル(約2億4千万円)、被災地に200万ドル(約1億6千万円)が寄贈されました。(当時1ドル=約80円)
日本赤十字社に寄せられた海外からの義捐金は、約1,002億円(2014年8月29日現在)といいますから、そのうちの4割をクウェートが一国で寄贈したということなり、支援の大きさに驚かされます。
オタイビ駐日大使も、震災直後の被災地に足を運び、子供たちのためにサッカーボールや文房具などを届けて下さいました。大使館においてもオタイビ大使ご夫妻はチャリティーバザーを開催し、収益金を義捐金として日本赤十字社を通じて被災地に贈られました。オタイビ大使は、今回のクウェートに支援について、「何をどのくらい支援したということが重要だとは思わない。大切なことは、我が国の日本と日本国民への団結だ」と述べています。